Ⅸ.ボール加重・ちょっとした練習法

 

 

さて、
足裏の意識・ボールの意識を持ち、ボール着地で踏むということ。
つまり、“ボール⇒ヒール” “ボール&フラット” の足運びが大切。
そこまではわかったけれど、なかなかうまく行かない。
そういう人のために
ここで新規に、電車の中でも出来る基本トレーニングを紹介します。
通勤・通学中に出来ますので、ヒジョーに効率的。

(ただし、体力やバランス感覚というものは人それぞれ異なっていますから、

自己責任でやってくださいね~)

 


両手で吊り革につかまり、まず、綺麗に立ちます。

猫背になったり、吊り革に体重を掛け過ぎないように。
両足の隙間は少し狭め、足幅の半分くらいの幅が良いかと思います。

(両足がくっつくのも広過ぎるのも良くないですが、違和感が無い方へ

調節は可能です。)
次に、足を動かさずに、女性は左足に、男性は右足に全体重をかけます。
外から見て、動きがほとんどわからないように。

肩がわずかに横に揺れたとしても構いません。
(ただし、両肩の水平はキープされています。片方の肩がカクンと落ちないように。) 

言い換えると、

これまで 50:50で掛かっていた荷重を100:0にするという事。
見た目を変えずに。


次。 カウント1です。 今度は浮いた(荷重0の)足へ徐々に体重を戻して行きます。
女性は右足へ、男性は左足へ、ですね。
この時に、
足の前の方から
20 ⇒ 40 ⇒ 60 ⇒ 80 ⇒ FULL
という風に体重をかけて行ってください。
もちろん、これはパーセンテージです。
つま先側から、じわじわ体重をかける動きで。
でも、自分の中では
5段階をきちんと分けて、体重をかける(移す)ようにします。
20 ⇒ 40 ⇒ 60 ⇒ 80 ⇒ フル

5段変速の自転車のギアを変えて行くような感じでしょうか。
カチ・カチ・カチ・カチ・カチ、と。

最後にフルに体重をかけ終わった時点で
元々荷重していた足(女性左足、男性右足)は、
ゼロ荷重になっているはずです。
試しに、そのフリ-になった足を
床に触れるか触れないかの高さで、
前後へブランコのように振ってみた時、(ほんの少しでいいです。)
きれいに触れるはずです。脱力した状態で。

ここまで出来たら、
あとは、この一連の動作を繰り返すだけです。

肩の水平を常にキープしながら。

繰り返しやってみましょう。
(別に電車の中でなくても、どこでも出来ます。)

最初はヒザを曲げないスタイルでやってみて、慣れてきたら

ほんの少しヒザを曲げるスタイル、

すなわちサルサダンスのフォームでもやってみましょう。

  

さて、この 「足裏荷重の割合」 では
40 ” のところがちょっとしたポイントです。
認識すべきポイントと言いますか・・
この前のパート、Ⅷのボールの説明のところで
“5分の2” すなわち “足裏前部40%” という捉え方も実践上かなり有効です。”
と書きました。
つまり、この40の時の足裏感覚、もっと直接的に言えばその面積が
サルサダンスで使える “ ボール ” である、

そういう把握で行けると思いますね。 すなわち、

ステップの時にその40をフロアに置いてしまえば良い。サルサのような

速いスピードの音楽に乗って踊る時は。

(最初は、というか中級に到達するくらいまでの練習では、つま先付近から丁寧に接地するやり方で

繰り返し練習することをお勧めします。 その方が綺麗な加重、ステップを身に付けられると

思うから。)

この  40 ” の足裏感覚は、ベーシックステップに留まらず、

方向転換やターンを行う際にも大切になって来るはずです。

「 もっとピンポイントで 」   「ややインサイド寄りの場合も 」   「 3分の1の方が乗り込める 」
と言った意見もかなりあると思いますし、
逆に、「 もう少しフラットでも行ける 」  という意見、こちらもまたあると思います。
個々のダンサーによって “ ボールのイメージ、把握 ”  は微妙に異なっている
ものと思われ、意見の幅は出てきて当然なのですが・・
まあ、これは『基準』だと考えて下さい。

サルサビギナーにとって、 “ 5分の2”   “40% ”  がとても把握しやすく、
かつ、それを基本に相当遠くまで行ける。
というのが現在の私の持論です。
参考にしてください。

〔というわけで、当道場では

足の親指と人差し指、その付け根付近の盛り上がった部分がボールであることは

もちろん意識はしてもらいますが(ピンポイントでのボールの把握)

実践上は「5分の2フラット加重」 を身体に覚え込ませることで、

しなやかなステップへと繋げられるようにしたい、です。

 

以上、

電車の中でも出来る、
“ ボール⇒ヒール”   “ ボール&フラット”  の感覚を養う訓練。
でした。
履いているくつによっては、特に女性のヒールのような場合は既に

40%荷重がほとんど出来ている人も中には居るのかもしれませんが、
男の自分はハイヒール履いたことないので (^_^;)
その辺は断言出来ません。
このトレーニングの良いところは、運動していると周囲に
まずわからない点でしょうか。(笑)
通勤・通学時間がサルサのエクササイズ時間に転換できるのだから、お得ですよね。

(くれぐれもこけないように注意してください。 安全第一で。 

そして自己責任でお願いします。)



それでは次。
綺麗で質の高いベーシック(これまで “ ベーシックステップ ” と正確な呼称を使ってきましたが、

現場では単に “ ベーシック ” と呼ぶ事も多いので、ここからは両方使わせて頂きます。)
を踏むための、10のチェックポイントを挙げてみました。

続けてどうぞ。