Ⅷ.LAon1のステップ・その基本

 

 

これ以降は、レッスンと合わせて読んで頂いた方が効果的かもしれません。

そのまま読み進めてくださっても結構ですし、いまいちピンと来ない部分が出て来るようでしたら、

三つ飛ばして、“ ⅩⅠ.サルサシューズについて(前編)” および

“ ⅩⅤ.マナーについて ”   こちらの方を読んでから

レッスン参加の可否を検討して頂ければと思います。

 

 

 

 

   

《 リーダー(男性)の場合 》

1で左足を前進させ、2で右足をその場で踏み、3で左足を元の位置へ戻す。4は休んで
5で右足を後ろへ引き、6で左足をその場で踏み、7で右足を元の位置へ戻す。8は休む。
ステップの順番は、左右左・右左右・


《 フォロワー(女性)の場合 》


1で右足を後ろへ引き、2で左足をその場で踏み、3で右足を元の位置へ戻す。4は休む。
5で左足を前進させ、6で右足をその場で踏み、7で左足を元の位置へ戻す。8は休む。
ステップの順番は、右左右・左右左・

となります。 

   

 
文字で表現されても、いまいちピンと来ない。
はい、そうかもしれないので、
次は映像で見てみましょう。

   


こちらのリンクをご覧ください。
Yo No Se Mañana - Salsa Timing + Foot Steps (HD)



これもそう
Sama - El Repartero De La Habana   Salsa Rhythm & Timing

 

 

取り上げさせてもらった以上、宣伝しておきますね。

“ サルサリズムソフトウェア ”
気に入られた方は是非どうぞ。 PayPalで支払いが出来ます。
http://www.salsarhythmsoftware.com/

   

名前が “ ビジュアルサルサ ” へ変わったのかな。全く同じサイトです。

https://visualsalsa.com/

 

  

  
上の映像ではワンのみ聞こえてきますが、これを見ながら
ワントゥースリー ・ ファイブシックスセヴン ・ を口ずさみ、映像に重ねてみて下さい。
ずっとやってると、ほら、身体を動かしたくなりませんか? きっと、楽しくなってくるはずです。

それでは、実際にステップしてみましょう。
先ほど言ったように、
男性は左右左・右左右・
女性は右左右・左右左・ のステップです。

そして、

LAon1スタイルの場合、   

男性は、左足の前進でスタート。     

女性は、右足の後退でスタート。   

であることを確認してください。

 

 

さて、

サルサダンスを身につけるに当たり、
(サルサに限らずほとんどすべてのダンスに当てはまるかもしれませんが)
理解しておくべき足裏のポイント・・というものがあります。
それは “ ボール ” と呼ばれる部分です。
大切な点なので、少し詳しく見ておきますが・・

聞き慣れない言葉ですが、“ ボール ” とは
足裏の前部分、特に親指と人差し指の付根付近の盛り上がった部分を指します。
実践上はそこまでピンポイントではなくて、
足裏の前3分の1の部分、それもややインサイド側という認識でまずは充分です。
インサイドではなく、足裏の前3分の1くらいの部分という考え方でもOKですね。
(“5分の2” すなわち “足裏前部40%” という捉え方も実践上かなり有効です。)
剣道・合気道などの武道をやっていた方なら感覚的にわかるのではないでしょうか。
相手の懐にもぐり込む動きのための、足裏前部への意識と申しますか・・
サルサの場合も基本はとにかく、ボールで踏むのです。
かかとが床面に触れるのは当然のことですが “ 着地はボールから ” です。

基本は、“ ボール着地で、しなやかに踏む ”
逆にダメなのは足裏全体でガツンと、“ ボールとヒールが同時着地で踏むやり方 ”
すなわち、衝撃荷重で踏む やり方です。

上手い人の踏みはナチュラルですが、強弱の差こそあれ、きちんと
このボール着地とボールへのしなやかな “荷重(自重の掛け方)”が出来ています。
上級者のリーダーの中には、かかとで踏み粘るようなアクションを加えたり、足裏を

いろんなバリエーションでステップする方もいます。
また、キューバンスタイルのサルサでは

かかとも含め、足裏全面を上手く使うケースがかなりあります。
が、しかし
サルサを始めるにあたり、初心者が最初から踵踏みを連発するのは避けるべきです。

「メインはボールで踏むことであって、それがほぼすべてであること」

そこをしっかり理解し、意識する必要がある。
(少なくともOn1、On2スタイルであれば特に。)

要は、かかと(ヒール)からの荷重は忘れてよいという事。 初心・初級者の場合。

現実にはヒールでポイント、あるいはキックしたりする表現も存在しますし、

男のフックターンなどは荷重(圧力)がかかと寄りになるケースもあります。

(その辺をちょこっとやるのは有益な場合も多いでしょう。確かに。

特に、初級を脱しようとしている人やそれ以上のレベルの人であれば。

インストラクターさんの中にもヒールポイントなどを上手く混ぜている方もいます。)

が、初心者ならば、その辺は忘れて構わない。

ボールで着地する癖を身体に覚え込ませる・浸み込ませる事の方が遥かに重要です。

ほとんどの人はダンスを覚える際、ボール着地とヒール着地を同時にマスターすることなんて出来ません。

(若いフレッシュな限られたダンサーを除いて。)

サルサの場合、実践上ボールで踏むケースがほとんどすべてなので

(上級者がやるような動きやステップを除き)

初心・初級の方はその一点にだけ集中すれば良い。

   

  

『 ほぼすべてのステップをボール着地でこなす 』

この点が理解出来ず、着地がヒールになったり足裏全体になったりボールになったり

混じった状態で続けていると、どこかで壁にブチ当たるのではないでしょうか。
悪影響としては、身体が後傾したり、逆に猫背っぽくなったり、骨盤の角度が安定せず悪くなったり、
中心軸がぶれ気味になったりしてしまう、そういった点が考えられます。 つまり、

良い事は何もありません。

(非常に大切なことなので、この点に関してはくどいくらい何度でも書くつもりでいますが)

初心者・初級者は、ボール着地・ボール荷重で繰り返し踏んでみること。

サルサを含むラテンソーシャルにおいては地味だけど、とっても大事なポイントです。


初心者のステップは、ベタ足だったり、ぺたんぺたん踏んだりあるいはドカドカ踏んだり、
(これらはほぼすべて、ボールとヒールの同時着地です。)
足が定まらずばらまくようにステップしたり、ぴょこぴょこ弾んだり、
足裏のアウトサイド側にウェイトがかかり過ぎていたり(O脚気味の人)

あるいは逆にインサイドエッジにかかり過ぎだったりと様々です。
人は誰でも歩き方に癖があり(それもかなりの)、それをダンスに持ち込ませず、
自然で上達の見込める踏み方を
初期段階から自分自身に浸み込ませることがとても重要。
(ダンスできれいな踏み方が出来、また姿勢が良くなって来ると今度はそれが

日常の歩き方へと反映されて行きます。)
初心者はとにかく “ ボール着地でナチュラルに、しなやかに踏む ” ことを心掛けるべきかと。
また、その動きはずっとダンサーの課題として付いて回り、ブラッシュアップは最後まで必要でしょう。

誤解を招きやすい点をひとつ挙げれば、
ネット上ではステップをわかりやすく説明するために、あえて足裏全体でぺたんぺたんとステップする
すなわち、ボールとヒールが同時にぺたんと着地する映像が結構あります。
でもこれは、あくまでステップの順番とタイミングだけをわかりやすく説明するためのものです。

したがって、その映像をそのまんま真似するのがいいという事ではない。

解説されているステップの順番やタイミングはしっかり真似てよいのですが、

「荷重の仕方」「足裏への重さの加え方」は違います。

したがって、やはり
足裏の意識・ボールの意識を持って、しなやかにステップすることが大切で、

初心者さんも《初心者だからこそ》最初のうちから

「ステップの練習をするときは足裏を意識する(常にじゃなくていいけど頻繁にチェックを入れてみる)」

これが結局は上達への確実な道だと思います。(男女問わずに)

 

ということで、上の動画に戻りますが、
この動画、靴の部分を単純化していますが、

(上で述べたぺたんぺたんというステップ、すなわちボールとヒールの同時着地で表現してあります。)

実際のステップは男女共に
かかとからではなく、またボールとかかと(ヒール)の同時着地でもなくて、あくまで
ボールからの着地だという事を気にしてくださいね。

ボールで着地した後にかかとが接地するのはもちろんOKです。
つまり、“ ボール⇒ヒール ” という順番で 結果、“ フラット ” な荷重になります。
(ややボールに荷重を残し気味のフラットというのもありますが。)
カウント5のバックステップだけは・・ かかとをつけないのがスタンダードでしょう。
接地したとしても軽めです。床に軽く触れる程度。

多少かかとに重みを乗せることはあっても、思いっきり体重をかけることは無い。

そもそもサルサの音楽は速いので、カウント5でかかとにまでフルに体重をかけると
間に合わなくなる場合も多いんですよ。 というか、
あたふたした余裕の無いステップの引き金になってしまうことがある。
もちろん、それは曲のスピードと歩幅にもよりますが。
曲にあわせて正確にステップしていれば、そして綺麗でしなやかなステップを心掛けていれば、
“ カウント5のバックステップはボールオンリーが基本 ”

これが理にかなっている、そのことがわかってくると思います。
(おっと失礼、女性(フォロワー)の場合は “ カウント1のバックステップ ” になります。
ここは読み替えてくださいね。)


では、重要な点をまとめたいのですが・・


初心・初級者がベーシックステップを覚える上で1番目に気にすべき事、
それは・・この
足裏の意識・ボールの意識を持ち、ボール着地で踏むということ。
シンプルに言えば、
“ ボール⇒ヒール ” “ ボール&フラット ”
の足運びを常に心掛けるということ。

これですね。

逆に言えば、
ベーシックステップ(及び、ほぼすべてのステップ)でやってはいけないことは
「足裏全体でガツンと衝撃荷重をかけること」

(足裏全体、すなわちボールとヒールで同時にガツンと床を踏むこと。)
になるかと思います。


先ほども言ったように(大事な点なので遠慮せず繰り返しますが)
ネットにあるベーシックステップの解説映像では、
ステップの順番を覚えてもらうために、
フラット気味に一気に荷重するニュアンスの映像が少なくありません。
極端にガツンと踏んだり、ペタンペタン踏んだりする映像も結構ある。
それらは、ビギナー向けの解説であることを意識しており、
ステップの順番とタイミングを
“ はっきり示すために敢えて そう踏んでいる ”  そういうことです。
ただ、「ステップの順番」 「タイミングの正確性」 に劣らず
 「ボール⇒ヒールでフラットに変化、という足裏への体重の掛け方」

はとても大切な要素なので、
初心者さんも早めに、むしろ最初から留意していくべき点だと思われます。
くどい書き方が続きますが、足裏のボールの使い方・ボールへの意識は

後々響いてくる  非常に大切な点なので、
まとめとして強調しておきました。
 

 

それでは、次。

その他に大事な点と言えば・・

もちろん、直線上でステップするようにしてくださいね。
右にふらふら曲がったり、左にふらふら曲がったりしない。
とにかくまっすぐにベーシックを踏むこと です。
On1そしてOn2スタイルのレッスンの現場では  “ 平均台(balance beam)” が

イメージしやすくて、たとえとしてはよく使われるのではないでしょうか。

オリンピックで平均台の競技ありますよね。(女子専門種目ですが)
あれって幅何センチなのかわかります?
答は、ジャスト10㎝です。 狭っ。

サルサのベーシックステップを踏む上で、最初はそこまで狭いラインをイメージしなくてもいいのですが・・  というか、
実践上は上級に近づかない限り、そこまで狭くはないです。
最初は男子25㎝幅、女子20㎝幅くらいで練習するのが良いと思います。(個人的意見)
まあ、上達してくれば徐々に幅を絞り込んだりもする訳ですが。

(逆に、幅を広げるケースも出てこないとは限りません。技によっては。

特に男子の場合。)

 

あと、男女のベーシックステップの違いについて(上半身の動きなどを除き)

言及する人はあまりいないんですが、私の(あくまで個人的な)考えでは
男は “ レール ” のようなある程度の幅の中を
(あるいは、イメージした左足用と右足用の二本のレールから落ちずに)
スムーズに前後に動ければ、まずは合格点だと思います。
ただ、フラフラしがちな人は平均台かそれに近い狭めのラインをイメージして
そこからはみ出さないように練習すべきかと。
男性(リーダー)の場合、むしろ、それプラス両サイド、
自分の左右に想定したラインを明瞭に綺麗に意識することが重要かと思います。
中央の二本のレール+右のシングルライン+左のシングルライン。

この辺は練習などで触れます。)
女はひたすら“ 平均台 ” かそれに準じたラインをイメージすべき・ かもしれません。
その方がエレガントな動きになる、という理由と共に
女性の場合、頻繁なターンに対応しなくてはなりませんから。
(この辺はサルサやってれば、体感としてわかってくるのではないでしょうか。)
ただし、自分が安定してターンや移動が出来る、そうしやすい基準の幅というのは

個人差が結構あると思うので、

それは各自で導き出せばよいという考え方もあります。

ハードルの高い “ 平均台(バランスビーム)基準” を万人に適用できるかと言えば・・

必ずしもそうとは言えない。

 

私もこの “ 今の自分、現段階の私にとっての最適な答をそれぞれで導き出す ” という考え方には・・

賛成ですね。

よほど大きく逸脱しなければ。
ソーシャルの場合、ショーと違って美しさを究めるというより

スムーズさや安定度、そして快適さを重視した方が良いですから。

ひとりひとり、体格も違っている訳で。

それに、楽しくならなければ長続きしないでしょうし。

 

ただ、女性の場合の一般論として言えば、

平均台のようなナローライン上で動くことが出来れば、
俊敏で美しい動きになり、エネルギーロスは無くなってくるでしょう。

そしてそれは快適さに直結して行きます。

何よりラインが安定してくれば、よりタイミングや音楽の解釈に集中できます。

男性からのリードに集中することも含めて。

ですから、ちょっと気合を入れて、そういう美しいライン捌きを女性が目指すのは

やはり、お勧め出来ます。

これから始める人であれば特に。

 

そして、平均台のような狭いライン上をスムーズに動きたいのであれば、

「太ももが擦れるような感覚の足運び」を指導されることが割とあると思います。

これは、On1・On2で踊る女性の場合、必要な感覚・・  かもしれません。

実際に痛くなるほど擦れる必要は無いですが、

足捌きにおける重要なイメージの一つだということは、覚えておいてください。



それでは、実際にダンサーがベーシックステップを踏んでいる映像をどうぞ。

   

   

   

   
   
1."Salsa Basic Footwork" - Salsa Dance Lesson by Maria - guajira

幾つかの基本ステップを見せてくれていますが、

冒頭、0:08までがベーシックステップです。  いい感じですね~。

(ただし、カウント3と7ではピタッと止まる感じで踏んでおり、

4と8はステップしないという点をよりハッキリと見せてくれてます。

初心者向けに。

先程からここで解説している通りですね。)

   
   
   

   
2.How to Dance The Salsa Basic

カリフォルニアから。 

ボールルーム系のようですが、エレガントな動きですね。
とてもわかりやすい。

(フォロワーの姿勢と加重の仕方は理想の一つとも言えるレベルですね。)

 


さて、このように二人が向き合っての映像なら別に問題ないのですが、
一方向(二人が同じ方向)を向いての解説だと、
リーダー(男性)のステップで説明するのか、それともフォロワー(女性)のステップで説明するのか、
どちらかを選ばなければいけないことになります。
(LAon1スタイルならば、同じカウント1で男性は前へ踏み、女性は後ろに踏む。

そのどちらのステップで説明するのか、という問題です。)
以下の映像では、どっちなのかをまず明示しますね。

   

   

   

[男性のステップで解説]

3.Learn Salsa Dance in minutes ! (Beginners)

Addicted2Salsaからの映像を。 いやー 僕も本当にお世話になりました。このサイト。

サルサ映像を体系的にアップしてきた老舗で、親切でわかりやすい解説が持ち味と言えます。
この映像では正面を向いた彼女も、リーダー(男性)のステップを見せてくれています。

   

    

   



[女性のステップで解説]
4.Salsa Basic Footwork Lesson - Dance Salsa 101

0:42以降のペアで向き合わない状態では、二人ともフォロワーのステップを踏んで解説しています。
女性の練習に適した丁寧な映像です。
彼女の腰のスウィングと落ち方に注目!

   

   

 



[男性のステップで解説]

5.Leads (Men) Basic Footwork - Salsa Dancing Lesson (Dance Salsa!)

今度は、0:46以降のペアで向き合わない状態では、

二人ともリーダーのステップを踏んで解説しています。
この解説映像は非常にいいですね。

5分に満たない中でテクニカルなポイントをきっちり説明していて、

本当に素晴らしい。
初心者、それも初心者リーダーにお勧めです。 特に足裏の加重の仕方をきちんと

説明してくれてるところがいいです。
女性のステップもきれいで、重みのかけ方と上半身の振り・手の振りが明瞭にわかり、背中を向けてくれているので、4カウントずらせばそのまま女性の練習映像として使えますね。
(音を消し、映像に合わせ自分でカウントしてみる。 まあ4番の映像で良いとも思うけど。)
肩の高さが変わらず、安定した綺麗なステップであることにも注目してください。

(補足: カウントの合わせ方に関して、ボールタイミングなのかヒールタイミングなのか 解釈の違いはありますが、サルサの速い音楽では本当に外から見てもわからないほどわずかな差で、初心者が悩むような差ではないので、気にしないで下さい。 当レッスンではあくまでも「ボール主義」で特殊な例を除き、ボールタイミング〈床を足が叩く、すなわち足裏が最初に接地するタイミング〉でやって行きます。)



それでは今までの映像を見ながら、ステップのしくみを再度チェックしておきましょう。

まず、カウント1。
女性は後退でスタート、男性は前進でスタートであることを確認してください。
OK?

次に、
スタート(=カウント1)で女性は右足を動かし、男性は左足を動かすことを確認してください。

従って、
女性は 右左右・左右左・  男性は 左右左・右左右・ となります。

女性、1右2左3右 、5左6右7左
男性、1左2右3左 、5右6左7右

最後に、
カウント4と8はステップはしていない事を確認してください。
ステップは休止していますが体重移動は継続して行っています。
ピタッと止まるわけではない。

これは繰り返しますが、とても重要な点なので頭の隅に置いといてください。)



次は、踏み方についての注意を。
まず、“ ヒザ ” を意識し、
ほんの少し曲げた状態で踏むようにしてください。
その曲げを常時維持します。


ステップの途中で膝(膝裏)がスッと伸びるスタイルも(現実には)あるのですが、
ソーシャルでそういうスタイルを考える必要は(上級者の一部を除き)まずありません。
基本的に、常時ヒザは少し(わずかに)曲げているという考えでOK。
というかビギナーはそう解釈し、身に付けた方が有利です。

この点は議論が分かれる部分、かもしれませんが
男性女性によっても違います。
女性の場合、膝の曲げが無く突っ立った状態だと
瞬時に来る(こともある)ターンのリードについて行けないでしょう。
どうしても、一瞬遅れる結果になりがちです。

(また、これ以上曲がらない方向へ圧が掛かってしまったりすると、最悪

膝を痛めるケースも考えられます。)
したがってフォロワーの場合、曲げを維持するのがデフォルトだと思いますね。

いや、確実にそれ一択でしょう。安全性を考えれば。

(繰り返しますが、ショーやパフォーマンスの場合は別です。

どういう動きになるかあらかじめ分かっているので、仮に曲げの無いスタイルが

混じったとしても危険ということはまず無い。

対するソーシャルの場合では

どういう動きになるかまったく予測できないので

リードが続く限り安全なフォームを維持する必要があります。

以上が女性の場合。

次に男性の場合ですが、こちらは

割と突っ立ったような状態でもリードは出来ると言えば出来ます。
この辺は個人の選択・好みだと言えるでしょうか。
ただし、初心・初級者は上体が浮いてしまい、リードの流れの中でフラフラしてくる場合があるので、
(よほど体幹を鍛えている人でない限り)
最初の段階ではやはり膝はほんのわずかでも曲げた方が良いと思います。
自分のターンやポジションチェンジもしやすいしね。

ほんの少しでいいですよ。

  

  

このように、一言でサルサダンスと言っても、あらかじめ動きのわかっている

ショーやパフォーマンスの場合と、

次の動きがまったく予測できない

その場で反応して動くソーシャルの場合では

考え方、アプローチの仕方の相違点が少なからずあります。

基礎は全く共通ですが、

意外なことにソーシャルの方が条件的に厳しくなることが多いです。

まあ、

“ ショーとソーシャルは別物 ” と考えておいた方が

ビギナーさんは混乱しなくていいかもですね。

このサイトですが、

もちろんソーシャルに特化して書いています。

  

上で述べた、女性の膝裏が一瞬伸びる(ニーバックする)スタイルについてもう一度書くと、

ソーシャルでどうしても入れ込みたいのであれば、それは

上級になってから、もしくはリーダーから離れて踊る

“ シャイン ” という部分限定でしょうね。

もちろん上級の人でも、100%膝の曲げを維持しながら踊る人は多いです。

(そちらの方が圧倒的多数派であることはまず間違いないと思う。)

良い例・わかりやすい例としては、

“ Ⅵ.ソーシャルで踊る映像 ” の最後5番目の映像の女性、

“ Ⅶ. On1,On2映像集 ” の2番目、デイジーのダンス

(これは踊り終わった最後のみ、ひざ裏が完全に伸びてますね。)

そして5番目のエリザベスのダンス。

これらの「膝の曲げの維持」がとてもわかりやすく、

かつ素晴らしいので女性の方は是非、参考にしてみてください。




では、追加の映像です。
どんどん見て行きましょう。

   



[女性のステップで解説]

6.Basic Styling for Follows (Women) - Salsa Dancing Lesson (Dance Salsa!)

タイトルにありますが、このような腕+指の動き(あるいは、ボディも含めた腕全体の動き)を

“ スタイリング ” と呼んでいます。

水平方向に入れるやり方メインで解説してますね。
混雑している場所でスパッと入れるのはなかなか難しいけどねー。

あと、男性と手が繋がっている状態ではもちろん、入れられません。

レッスンのベーシックでは、腕はジョギング風というかヒジを曲げた状態で

自然に振ってもらいます。

そういうやり方でも、この映像のようなニュアンス(女性的な雰囲気)を入れ込むことは可能です。

   

   

 



[女性のステップで解説]
7.Salsa Basic Step - Learn how to Dance Salsa Online - Lady Styling

わかりやすい! かなーりクロスステップ気味のスタイルだけど、イイ感じです。
女性らしさと小気味良さを重視したステップという感じ。
拡大してくれているところでは、ボール→ヒールの加重がよくわかりますね。

手の振りは結構横に伸ばすスタイルですが、もっとコンパクトに振るスタイルも多いです。
つまり、彼女がやってみせてくれているのは、スタイリング気味の腕の振りということ。

また、エイトカウントで4回手を動かすスタイルです。 こういうやり方も有りなのですが、

当レッスンではステップと完全に連動させ、男女共にエイトカウントで6回手を動かすスタイルを採ります。
ベーシックステップ(というかサルサ)における腕の振りは、一つではなくていろいろなスタイルがある。
そういう風にビギナーは把握しておくとよいでしょう。

今挙げた2つの映像はソロで踏んでいますから、両腕の動きは自由にグルーヴを出していますが、
ペアで組んだ場合は両手もしくは片手がリーダーと繋がっている時間がほとんどですので、腕の動きは結構制限されます。

   

 




[男性のステップで解説]
8.Learn Salsa ONLINE With 5 Hours Of Instruction - www.SeaonOnline.com

いいノリですね。 映像では03:54までがベーシックステップの解説です。
03:55からサイドブレイク(サイドベーシック)

08:05からは(2時方向への)ライトターンをそれぞれ解説していますが、

ビギナーの方はまだそちらに目移りせず、

ベーシックに集中してくださいね。




さて・・  ここまで映像を見て来て気付かれた方もいると思うのですが、
両足がホームポジション(ニュートラルポジション・セントラルポジション)で揃いそうになるステップの時、(具体的にはカウント3とカウント7)
右足と左足がぴったり揃っているか ほとんど揃っているレッスン映像と、明らかにずらしている映像、

この二通りあるのがおわかりでしょうか?
これは、どちらかが誤りという訳ではなくて、考え方・アプローチの違いに過ぎません。
揃える方は、初心者へ理解させるための明快さ、そして
どうしても暴れがちなステップになる人への抑制策、これらを重視しています。
ずらす方はステップがよどみなく流れることの重要性や一種のグルーヴ、

そしてターンへの繋がりを重視しています。
このサイトでは、その中間というか “ 少しずらす ” 方法をお勧めしたいのですが
どちらかというと、ずらす方・すなわち後者支持ということになります。
この点は、また後ほど述べることにします。

   

   


それでは、最後にまとめを。

 

Ⅷ.LAon1のステップ・その基本

ということで見て来ましたが、
ベーシックステップを踏む際の基本事項、これを最後にまとめてみます。

要点は4つあります。


A.女性は、  右左右・左右左・   

  男性は、  左右左・右左右・ 

B.ステップは、かかとからではなく、常にボールからの着地。
“ ボール⇒ヒール”   “ ボール&フラット”  が基本。
足裏全体でガツンと衝撃荷重をかけてはいけない。

C.ステップは、常に膝を少しだけ曲げた状態で踏む。

D.カウント4と8は、ステップ自体は休止しているが
体重移動は継続して行っている。

(3と7でピタッと止まるわけではない。)

 


こうやって並べてみると、どれも大切ですねー。

ことに関しては、すべてのサルサに共通します。サルサダンスの共通原理です。
真っ先に覚えるべき、踊るための原理・と言えるでしょう。
に関しても、ほぼ鉄則。 ただし、キューバンスタイルなどでは一見そう見えない場合がある。
もほぼ共通事項ですが、先に述べたように一瞬膝裏が伸びるスタイルもあり(特に女性)
男性の場合だと、最終的に膝の曲げがあまり認められないステップに落ち着く、

そんなリーダーもいるということです。
も大切ですね。 真面目な方、きちんとした方が割とやってしまうミスかもしれません。

どんなスタイルのサルサにおいても  “スムーズな体重移動の継続”  が大切で、

その流れを断ち切るようにピターッと止まっちゃダメだよ・ということなんですね。

似たような動きとして、中上級者が止めるような、

粘るようなステップを入れ込む場合もあったりするのですが、

そういうのはずっとずっと先の話です。 初心・初級者の方はとにかく

“ スムーズな体重移動を伴った、滑らかなステップが踏めるように ”

かつ

“ 音楽に正確に乗ったステップが踏めるように ”

繰り返し練習していきましょう。